インフォぷりんVol.171『スマホ新法で何が変わった?スマホの業務利用上の注意点』

2025年12月18日に全面施行された「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(以下、スマホ新法と記載)」は、これまでのスマートフォンやタブレット端末における「当たり前」を大きく変える法律です。
そこで今回は、スマホやタブレット端末を業務に利用する際に、今後特に注意しておいたほうがよいことなどをまとめてみました。

免責事項:本記事はあくまでも一般的な情報の提供を目的としております。内容の正確性には注意しておりますが、必ずしも法解釈が適切であることを保証するものではありません。また、セキュリティ対策の実施は読者様の自己責任とし、必要に応じて専門家へご相談ください(当社では一切の責任を負いかねます。)。

目次

スマホ新法で何が変わったのか?

スマホ新法は、スマホ利用に必須のOSを供給している企業(主にiOSのApple、AndroidのGoogle)だけがアプリ市場で独占的優位性を持つことなく、自由な競争を促進し、利用者がより多くの選択肢を得られることを目的に施行された法律です。
スマホ新法施行により、これまでOS供給事業者によって制限・禁止されていた次のような事項が自由化・選択制となりました(OSのアップデートなどによりご利用中の端末でも既に変更されている場合があります)。

これまでスマホ新法に対応して変更となる主な内容
アプリは公式アプリストア以外からは原則インストールできない●iOS:利用者自らが許可する等端末の設定を変更することにより、AppStore以外からもアプリを入手することが可能になりました
●Android:これまでもアプリインストール時の設定変更でGoogle Play以外からもインストールすることは可能でしたが、インストール手順や使い勝手が公式ストアに近くなり、利用しやすくなりました
OS提供事業者の決済サービス以外は利用できない●OS事業者の提供する決済サービス(Apple Pay、Google Pay)の強制が禁止され、多様な決済方法が選択可能になりました
●これまで制限されていたアプリ内で外部の決済サービスやWEBサイトに誘導するリンクを表示することも可能になりました
標準ブラウザ・標準検索エンジンが固定されている●ブラウザはiOSでは「Safari」、Androidでは「Chrome」、検索エンジンはともに「Google」が標準に設定されていましたが、新法に適合するようにリリースされたバージョンのOSからは、ブラウザ初回利用時(設定時)に、他のブラウザや検索エンジンも含めたリストを表示させ、ユーザーが選択できるようにすることが義務付けられました
●選択画面では特定のものだけを強調表示することも禁止されます(OS事業者提供ブラウザだけ大きく表示するなどは禁止)

スマホの業務利用へのスマホ新法の影響は?

スマホ新法による変更は、利用者にとっては選択肢が増えて利便性が増す可能性がある一方で、これまではあまり注意を払っていなかったようなことについても、慎重に確認し、適切に判断することが利用者一人ひとりに求められることにもなります。

不正アプリ、機能不十分アプリの増加リスク公式アプリストアによる審査を通過しないアプリが出回るため、マルウェアが仕込まれた不正なアプリや、不必要な権限(連絡先や他のSNSなどのデータへのアクセス)をデフォルトで要求され、気付かないうちに端末内の情報が外部に漏えいする可能性があります。
不正課金・金銭トラブルの発生リスク外部リンクからの決済を利用した結果、偽サイトに誘導されるなどで会社のクレジットカードや口座の情報が流出する可能性があります。また、適切な返金対応や不正利用対応などをしてもらえない可能性もあります。
ブラウザのセキュリティ機能が十分ではないリスクブラウザによって、有害サイトの検出・ブロック精度、アップデート頻度、パスワード管理機能などは異なります。機能が不十分であったり、設定が不適切であったために不審サイトにアクセスしてしまい情報が漏えいする、マルウェアに侵入されてしまうなどのトラブルが増える可能性があります。

「便利そう」「無料」「みんなが使っている」という理由だけでインストールするのは避け、アプリやアプリ開発事業者の信用性などを慎重に確認し、利用可否を判断しましょう。

まとめ

スマホ新法によって、スマホ・タブレット端末の自由度は高まります。しかし、これまで公式ストアが担っていた安全チェックが行き届かなくなる分、危険(リスク)も増えます。 
特に業務での利用においては、情報漏えい発生や業務停止といった重大なリスクにつながる可能性もあるため、「便利そうだから入れる」という判断は絶対に避けるべきです。
スマホ・タブレットの利用ルールを今一度見直し、適切に管理するようにしましょう。業務利用において、確認すること・ルールとして周知したほうがよいことの一例を以下にまとめてみました(あくまでも参考としてお読みください)。

  • 業務用スマホ・タブレットには、外部ストアからのアプリインストールを禁止する
  • 業務に利用するアプリは、会社が承認したもののみ利用可能とする
  • 業務用スマホ・タブレットの設定を、利用者が無断で変更してはならない
  • 業務用スマホ・タブレットは定期的にOS・アプリのアップデートを実施し、最新の状態を保つ
  • 業務用スマホ・タブレットにアプリをインストールする際には、アプリの権限情報を注意深く確認する(カメラ・位置情報・連絡先などへのアクセス権には注意する)
  • 個人端末を業務に利用することは原則禁止する
  • 外部ストアや非公式アプリを利用する前にストアやアプリの安全性を公式情報(WEBサイトなど)で確認したうえで、事前申請とリスク説明を必須とする
  • 業務用スマホ・タブレットでなんらかの決済を行う場合は、必ず上長に申請し、上長の操作によって実施する(利用者の独断・単独での決済禁止)
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