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ふたつの責任

非正規雇用が1890万人になろうとしているデータがあります。雇用者数の36パーセントにも上るこの数字、盆休み中に帰省していた息子の様子を見ながら、この数字の実態を見た気がします。
彼の仕事は派遣会社の営業。この四月から会社としてもお初の高松に赴任し、試行錯誤の毎日のようです。我々と違い、派遣会社というのは自身が休み中でも派遣スタッフはお客様である派遣先で仕事をしています。
あってはいけないですが、派遣社員の中には急に出勤を取りやめてしまう場合もあります。「急な取りやめ」と言うと聞こえがいですが要は「ドタキャン」。こういった業界にはドタキャンはつきもののようで、案の定帰省中にそうした電話でその対応に電話を掛けまくっていました。
一方、新たな派遣スタッフには相手先との面説の時間調整もしています。当日の服装の注意と志望動機をしっかりと言えるようにしてくださいと伝えているのを耳にし、思わず「何歳??」と聞くと31歳!?年齢を聞いてびっくり。実は自分より年齢が高いことは当たり前のようです。
景気の上昇で、雇用者数も戦後四番目と言われていますが、実際には非正規雇用が増えているのが実態だといいます。雇用の調整弁として派遣社員が担っている現状があるのだなと思います。
「人生の縮図を見ているようだ」と家内が一言。帰省中の為、ドタキャン派遣社員の自宅に様子うかがいを同僚にお願いする様子を見ると、私どもが抱えている「人の問題」は彼の会社にとっては日常茶飯事なのだと。
派遣社員のドタキャンは、結局そのしりぬぐいは派遣元の社員が行うということ。この繰り返しと聞くと、働くことの責任がだんだんと希薄になってくるのではと感じてしまいます。果たして彼らには「責任」という言葉があるのかなと。
とはいえ、ドタキャン相手との電話応対を横で聞きながら、その対応にもあらためて学ばせてもらいました。景気の上昇に伴って雇用増加と言いながら、現実にはかなり根深くシビアなものがあることを実感します。こうした社会を生み出している我々にも「責任」は大きいな・・・実感です。


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